株式会社創研

断熱性を上げる窓の違いと選び方

  • 公開日:2023年3月9日
  • 最終更新日:2023年3月10日

窓の断熱リフォームってどう選べばいい?

 冬、どんなに部屋を暖めても「寒い」と感じるのは、住まいの断熱性が低い可能性があります。

 せっかく温めた熱が家の外へ流出しまっているのが原因です。実は、これは夏にエアコンで冷えた室内の冷気にも同じことが言えます。

 最も熱が流出するのはドアや窓等の開口部。流出する熱の約58%が開口部からと言われています。断熱性を上げる方法として有効なのが窓リフォーム。

 熱の流出を抑え、かつ、冷暖房効率も上がり光熱費も抑えられます。では、窓の断熱性を上げるにはどうしたらよいでしょうか?

 

<目次>

1.窓の断熱性を上げる工事方法
 1-1.ガラス交換
 1-2.窓カバー工法
 1-3.内窓設置
2.ガラスの違い
 2-1.単板ガラス
 2-2.複層ガラス
 2-3.Low-Eガラス
3.サッシの違い
 3-1.木のサッシ
 3-2.アルミのサッシ
 3-3.樹脂のサッシ
4.断熱性の違い
5.簡単で効果は抜群!内窓設置
6.まとめ
 

窓の断熱性を上げる工事方法

 窓の断熱性を上げる為にはリフォームの工事方法が3つあります。

 各工事の断熱効果について説明します。

 

ガラス交換

 今ある窓はそのままで、ガラスだけを交換。

 ガラスを断熱効果のあるものに変える必要があります。

 しかし、既存のサッシに歪みがあると隙間風が入る原因になり、ガラス交換だけでは断熱性は上がりません。

 また、サッシの仕様によっては断熱性のあるガラスが設置できない場合がありますので、専門家に見てもらって判断しましょう。

 

窓カバー工法

 今ある窓枠の上から、新しい窓を被せるカバー工法。壁を壊さず、室内側から施工できます。

 既存の窓より少し小さくなりますが、ガラスやサッシの種類を断熱性の高いものに選ぶことで、効果が期待できます。

 

内窓設置

 今ある窓はそのままに、内側にもう一つ窓を取り付けて二重窓にする工事。

 窓が二重になることで、断熱の層が出来上がる為、高い断熱効果が期待できます。

 二重になるので、鍵も二つになります。

 

 

 工事の方法だけでなく、ガラスの種類・サッシの素材などの選びからによって断熱性が違います!

 それぞれの違いを説明していきます。

 

ガラスの違い

 2006年以前に建てられた住宅の大半が単板ガラスの窓です。2006年に住宅の省エネ基準が強化され、「窓は複層ガラス」と定められました。

 現在の新築住宅では「Loe-E複層ガラス」が多く利用されています。

 ガラスは「熱貫流率」と呼ばれる値で断熱性を示します。では、ガラスの種類が変わると熱貫流率はどう違うのでしょうか?

 

単板ガラス

 いわゆる、1枚ガラスの事。断熱性が低いので現在の新築では使用されていません。

 先ほども伝えた通り、2006年以前の住宅では窓ガラスというと、この単板ガラスが主流でした。

 熱貫流率:6.0w/(㎡・k)

 この単板ガラスの熱貫流率を基本に、他のガラスがどれくらいの断熱性があるのか比較していきます。

 

複層ガラス

 2枚のガラスで構成された窓ガラスです。

 間に中空層があるので、単板ガラスよりも断熱効果が得られます。

 熱貫流率:2.9w/(㎡・k)

 単板ガラスの約半分です。単板のガラス1枚より、断熱性が上がっています。

 熱貫流率は厚さで数値を算出する為、同じ素材の物を2倍の厚さにすれば、熱貫流率は1/2になる傾向になります。

 今回の複層ガラスの数値は、同じ素材の単板ガラスを2枚にしている設定の為、1/2の数値になっていると考えられます。

 

Low-E複層ガラス

 2層になっているガラスのどちらかに特殊な金属膜(透明)がコーティングされているガラス。

 ガラスコーディングされたLow-E膜が屋外の太陽熱や、屋内の暖房で温められた熱を吸収・反射します。

 その効果として夏の厚さを和らげ、冬の暖房効率を高める等、室内の快適性を高めることに一役やっています。

 熱貫流率:1.9w/(㎡・k)

 単板ガラスの約1/3です。Low-E複層ガラスが最も熱貫流が低いため、断熱性が高いと分かりますね。

 断熱性を求めるならば、Low-E複層ガラスを選択するのが最も効果が得られます。

 

サッシの違い

 より断熱の効果を高めるには、ガラスとともに、窓枠にも断熱性能の高さが求められます。

 どんなサッシが最も断熱性能が高いのでしょうか?

 サッシの場合、熱伝導率で性能を表します。

 

 

木のサッシ

 風合いがありますが、腐食や摩擦に弱く、耐火性・耐久性が低いのが特徴

 熱電伝導率:0.12w/(m・k)

 

アルミのサッシ

 軽量で強度があり、サビにくいですが、熱伝導率が高く、断熱性が低いのが特徴

 熱伝導率:210w/(m・k)

 

樹脂のサッシ

 アルミサッシよりも厚みがあり樹脂は、熱伝導率が低く、断熱性や気密性が高いのが得領

 熱伝導率:0.17w/(m・k)

 

 熱伝導率は数値が低い方が熱を伝えにくいとされています。樹脂サッシはアルミサッシの1/1200以下の熱伝導率です。

 断熱性能が非常に高いと言えます。数値だけなら、木製のサッシが断熱性が高いですが、木は劣化しやすく、こまめなお手入れが必要なので、長期的にみるなら樹脂製がよさそうですね。

 

熱貫流率・熱伝導率について

熱伝導率(λ) 単位:w/(m・k)

  • 熱の伝わりやすさを示した数値。
  • 数値が小さい方が熱を伝えにくい。
  • 金属は熱伝導率が大きく熱を伝えやすい。

 

熱貫流率(U値)単位:w/(㎡K)

  • 部材の熱の通りやすさを示す数値。
  • 数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性が高い
  • 部材の厚さに対し計算をするため、同じ仕様ならば厚い方がU値は高くなる。

 

断熱性の違い

 窓断熱のポイントはサッシとガラスの組み合わせです。

 最も断熱性能が低いのは「アルミフレーム+単板ガラス」の組み合わせで熱貫流率が6.51w/(㎡・k)

 最も断熱性能が高いのは「樹脂フレーム+ダブルLow-Eトリプルガラス」の組み合わせで熱貫流率が0.91w/(㎡・k)

 ダブルLow-Eトリプルガラスとは、Low-E複層ガラスを使い、2枚のペアガラスにもう1枚、3枚のガラスを使っているガラスです。

 窓はガラスの間に空気の層ができることで、断熱の効果が生まれます。内窓は窓と窓の間に空気の層ができることで、ペアガラスはガラスとガラスの間に空気の層ができることで断熱性を発揮します。

(画像提供:LIXIL)

 ダブルLow-Eトリプルガラスは、ガラスを3枚使う事で、空気層が2層になります。ペアガラスと比較し、空気層が1層増える為、より効果が発揮され、高い断熱性を得ることができるガラスです。

簡単で効果は抜群!内窓設置

 工事の方法・窓の種類・サッシの種類とみてきて、最も断熱性能が高く、早ければ数時間程度で終わる内窓設置がお勧めです。

 内窓を設置することで断熱以外にも様々な効果が得られます。

 

断熱効果

 既存窓との間に空気の層ができる為、空気層が断熱材の役割を果たし断熱されます。

 外気の影響を受けにくくなります。

 

結露軽減

 空気層で室内と屋外をしっかり隔てることで、外気温の影響を受けにくくなり、結露の発生を抑えます。

 お掃除も楽になります。

 

遮音効果

 空気層が防音壁の役目になるので外の騒音や家庭内の生活音なども気にならなくなります。

 大きな通りの近くの家はその効果をより感じるのではないでしょうか?

 

UVカット

 Low-Eガラスで紫外線を80%カット。日射熱も61%カットするので、人体の日焼けや家具などの色あせ対策になります。

 

侵入防止

 窓が二重になるので、ロックも2つになります。

 侵入までに時間がかかるようになるため、侵入をあきらめさせる心理効果も期待できます。

 

経済的

 冷暖房費が約1,670円/月お得!

 10年で約20万円もお得になります。

 部屋もあったかく、お財布もあったかくなりそうです!

 

 

お勧めはLow-E複層ガラス

 Low-Eガラスなら、断熱効果が単板ガラスの3倍、複層ガラスの2倍と言われています。

 本気で寒さを解消したいなら断然Low-Eガラスをお勧めします。内窓の採用で熱貫流率が1.4w/(㎡・k)になります。

 

まとめ

 窓の断熱を行っても、壁や床からも熱は流出します。窓を断熱した部屋が、日差しが降り注ぐ部屋か、北側の部屋か、床の断熱材の有無などで効果は変わります。

 また、窓の断熱の方法も、家の状況によって変わるので、一度専門家にご相談するのをお勧めします。

 


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