モルタル外壁を塗装するか?サイディングを張るのか?
- 公開日:2021年2月27日
- 最終更新日:2023年4月10日
築20年以上経過したモルタルの外壁の家で、見た目や今後の手入れのことを考え、サイディングにしてみたい。と思った時、
一体どんな人がリフォームでサイディングをしているの?そもそもサイディングって何?どんな工事なの?と疑問が出てくると思います。
この記事はそんな方にぜひ読んでいただきたいです。
1-1窯業(ようぎょう)系サイディング
1-2 金属系サイディング
1-3 木質系サイディング
1-4 樹脂系サイディング
2.どんな工事 ?
2-1 重ね張り・カバー工法
3. どんな人がサイディング工事をするの ?
4. 塗装との違い
5.まとめ
サイディングとは?
サイディングとは、使用する板の表面に型で柄を形成し、塗装を施している板状の外壁用建材です。デザイン性が高く、色や形のバリエーションもたくさんあります。材質は大まかに窯業系・金属系・木質系・樹脂系の4種類です。
サイディングを選ぶ際は、デザインはもちろんですが、素材ごとの特徴を知り、メンテナンスの時期や方法・工事費用なども考慮するといいでしょう。
窯業(ようぎょう)系サイディング
窯業系サイディングは、セメント質と繊維質で形成されています。
シンプルなものからレンガ調、タイル調、石積み調などデザインの幅が広いことが特徴です。セメントが含まれており、地震などの強い衝撃にも強く、また防火性にも優れています。
最近の新築住宅で使用されている割合は約7割を占めている建材です。
コストパフォーマンスが高く、安価で工事をしたい場合やデザインで選ぶ場合は、こちらを選ぶとよいでしょう。
金属系サイディング
金属系サイディングは、ガルバリウム・アルミニウム・ステンレスなどの鋼板で作られています。
最大の特徴は窯業系サイディングに比べてメンテナンスの手間がかかりません。
防水性・耐天候性にも優れています。しかし、金属を使用している分やや価格は高くなるのがデメリットです。
金属の質感が好きな人や、メンテナンスの手間を減らしたい人におすすめです。
木質系サイディング
木質系サイディングは、木を材料としたサイディングです。
木の温もりが感じられ、熱を吸収しにくく、表面温度が上がりにくいので断熱性に優れています。
天然の木を使用しますので同じ模様はなく、温かみのある特徴的な外壁になることでしょう。
しかし、他のサイディングと比べて劣化が早いのがデメリットです。天然の木に塗装をして仕上げているので、塗膜が剥がれてしまえば木が腐る恐れがあります。
外壁をきれいに維持するには、こまめなメンテナンスが必要です。また、取り扱っている工事店は少ないので業者選びが重要になります。
木の素材感が好きで、メンテナンスの手間をおしまない人であれば、木質サイディングはよい選択肢になるでしょう。
樹脂系サイディング
画像提供:旭トステム(https://www.asahitostem.co.jp/item/wallj/)
樹脂系サイディングは、樹脂の性質により劣化しにくく、塩害や凍結などにも強く、耐天候性がもっとも優れています。
建材自体もサイディングの中ではもっとも軽く、家への負担は軽減できます。
そのため、寒い地域や海が近い地域では採用されることがあります。それ以外の地域では採用されにくく、業者探しに苦労することも。
どんな工事 ?
サイディングの工事は、大まかに「張り替え」か「重ね張り」どちらかの方法で行われます。
それぞれ見た目には大きな違いはありませんが、今の外壁の状態によって、どちらの工事方法を取るべきか変わります。ここでは重ね張りでの工事方法の詳細を解説します。
重ね張り・カバー工法
モルタル壁の劣化がそれほど進んでおらず、強度が十分にある場合は、重ね張りする方法も選択肢としてあります。上から重ねるため、「カバー工法」と呼ばれることもある方法です。モルタル外壁工事はほとんどではカバー工法が多いです。
既存の給湯器やエアコンホースなどを取り外し、既存の外壁の上に、下地を貼り付けていきます。その上に防水紙を張り、胴縁を施工していきます。これで下地処理が完了です。その上に、サイディングを張っていきます。最後取り外した給湯器やエアコンなどを元に戻して作業完了です。
雨漏りしていなければ、既存壁が一次防水の役目になり防水処理をしない場合もあります。
既存の外壁にそのまま重ねるため、工事の手間がかかりません。今の外壁の撤去や処分が含まれないため、費用も安くできます。また、断熱性と遮音性の向上が期待できることもメリットです。既存の外壁と新しい外壁の間に空間ができるので、暑さや寒さに強く、音が外に漏れにくくなるでしょう。塗装と比べると、家の見た目がガラリと変わるため、気分を一新することもできます。
ただし、デメリットとしては、外壁の状況によっては施工できない可能性があることです。既存の下地状態が悪いまま重ね張りをしてしまうのはよくありません。雨漏りなどのトラブルがある場合は、雨もりの原因を解明してからの外壁工事になりますので、専門家に相談し、建物の状態をしっかりと判断して工事の方法を決めましょう。
わずかですが、家の重量が増える点にも注意が必要です。サイディングは軽量化が進んでいるため、最近の建物であれば、それほど気にする必要はありません。ただし、耐震性に不安のある建物の場合は注意してください。
工事について順を追って解説しています!
どんな人がサイディング工事をするの ?
サイディング工事が必要になるのはどのような場合か、わからない人もいるのではないでしょうか。通常であれば、外壁のメンテナンスを行う場合には、塗装工事が一般的です。
しかし、今の外壁の劣化状態によって塗装工事が可能なのか、不可能なのかが決まります。劣化が進んでいる外壁の場合、ひび割れなどが発生し、塗装ではカバーしきれないためです。
塗装をして問題が解決できる簡単なひび割れ程度であれば補修は可能ですが、大きいひびや、補修場所があまりにも多い場合、補修よりもサイディングの張り替えや重ね張りで対応した方が間違いありません。
サイディング工事は、雨漏りへの対処が遅れ、外壁の劣化が進んでしまった場合や、モルタルから、別の素材に変えたい人が採用することが多い工事です。
塗装との違い
外壁塗装とサイディング工事の違いは、大きく言えば費用と補修できる範囲の違いです。外壁塗装はサイディング工事と比べると、費用は安く抑えられます。塗料の費用も職人の手間もサイディング工事ほどはかからないためです。
ただし、外壁塗装は外壁に傷みがある場合に、補修ができないこともあります。幅が0.3mm以下、深さ4mm以下のヘアークラックと呼ばれる小さなひび(クラック)であれば、塗装で補修は可能ですが、それ以上の大きさのヒビは補修しきれません。
サイディング工事は、材料費も工事費用も高く、外壁塗装と比べると費用はどうしても高くなります。ですが、外壁の劣化が激しい場合はサイディング工事をした方が、確実に改善が期待できます。
雨漏りが起きている場合は塗装では改善はできません。塗装で十分か、サイディング工事が必要かの判断は個人ではそう簡単に判断できることではありません。専門家に依頼し、現在の外壁の状況をよく見極めてもらってから判断するようにしましょう。
赤外線による建物診断を行い雨漏りの調査を行った事例
まとめ
今回はサイディング工事とはどのような工事か、解説しました。
サイディング工事は現状の外壁の劣化が進んでいる場合に行う工事です。
また、メンテナンス性や通気性、デザイン性を考えて、行うこともあります。
とはいえ、塗装かサイディング工事かの判断は難しく、悩んでしまうものです。お悩みであれば、専門家にお気軽にご相談ください。