屋根だけじゃない!壁の中で起きている雨漏りの症状と修理方法
- 公開日:2019年9月19日
- 最終更新日:2023年4月10日
テレビと違う!本当の雨漏り
「雨漏り」と聞いて「天井にシミができて、ポタポタ滴が垂れ、バケツで水をためる」というイメージを持った方は多いと思います。
しかし、実はポタポタ落ちてくる雨漏りは、雨漏りの末期症状です。
しかも、屋根からの雨漏りより壁から、壁伝いの雨漏りの方が発見が難しいのです。
このブログでは、雨漏りの原因と修理方法をご説明していきます。
1 雨漏り=屋根?
2 本当は多い、壁からの雨漏り
3 実はココから!壁の中を伝う雨漏り
見落としがちなベランダ・バルコニーからの雨漏り
窓周り
4 外壁からの雨漏り 修理方法
壁の修理(モルタル外壁)
壁の修理(サイデイング)
窓・ベランダの修理
5 治っても目立つ!雨漏りの跡
6 まとめ
本当は知らない雨漏りの症状
雨漏りと聞いてイメージするのは、天井からうすがポタポタ垂れ落ちるというような症状だと思われている方は少なくありません。ですが、実は、雨漏りは原因と場所によって現れ方が違うのです。雨漏りは修繕が遅れれば遅れるほど被害が深刻化し、大掛かりな工事になります。それによって工事金額も高額になってしまいます。原因箇所ごとの症状を知ることで、早期の対策を取りましょう。
雨漏り=屋根?
屋根からの雨漏りってどんな症状があるかご存知ですか?
屋根は骨組みの上にコンパネと呼ばれる合板を敷き詰め、その後防水シートを張り付け、その上に屋根材を設置します。そして「雨仕舞(あまじまい)」の処置を施します。雨仕舞とは、建物に雨水が入り込まないように雨の通り道を確保し、雨どいや地面などに受け流す構造の事で防水効果を上げるための仕組みです。
瓦にヒビが入っている。スレートに亀裂やヒビが入っている。ガルバリウム鋼板がサビている。それだけなら多少の雨では、建物内まで雨漏りはしません。
防水シートが防水機能を失ってしまったから起こるのです。
屋根の下には天井の板があります。屋根から雨水が侵入し天井の板まで水が浸透し、水のシミが天井にできて初めて雨漏りに気が付きます。
木にも水を保持する力があります。ポタポタ垂れるというのは木が持つ保水機能を超えた雨水が流れてきているということです。
雨漏りの進行度合いや下地の状態によって、一部補修で済むか、屋根の葺き替えや躯体の修繕が必要かの判断が必要になります。
本当は多い、壁からの雨漏り
雨を守っているのは屋根だけではありません。実は壁も大切な役目を負っています。壁の面積は屋根より大きいのをご存知ですか?
壁からの雨漏りで多いのは、隙間から水が入りこみ、壁内を伝う雨漏りです。
モルタル外壁はひび割れにより、サイディングは目地のシーリングが固くなり、劣化し細くなりぽろぽろと崩れた事によって、できた隙間からの雨水が壁の中に入ります。
外壁にはエアコンのダクトや給湯器、雨戸、ベランダ、窓格子等、壁に穴をあけて設置している物がたくさんあります。壁に取り付けてあったものを取り外した後の穴の処理が適切でない場合、そこからの侵入もあります。
外壁材の下地には防水紙が施工されており、室内で雨染みを見つけるというのはかなり被害が進行した場合と考えられます。
具体的には、防水紙が機能しなくなり、下地材に大量の水が含んだ状態です。
カビや腐食が発生していることも考えられます。目に見えた症状がなくても、壁紙にシミができたり、雨が降った後、カビ臭いと感じた時には雨漏りを疑いましょう。
(シーリングとは水密性・気密性を目的として、目地や隙間などに合成樹脂や合成ゴム製のペーストを充填すること。コーキングともいいます。)
実はココから!壁の中を伝う雨漏り
見落としがなちベランダ・バルコニーからの雨漏り
ランダやバルコニーからも雨漏りは発生します。その原因は、経年劣化と排水溝のつまりです。
ベランダの手すりなどが経年劣化で腐食し、雨がベランダの壁の中を伝い雨漏りが発生します。
ベランダでお花を育てたり、近くに木がある家などは、落ち葉などが排水口に詰まりやすいです。また、洗濯物等干していると、髪の毛や衣類についたごみがベランダに落下して排水口が詰まることもあります。
水が流れずにたまったままだと耐用年数を待たず劣化が進み、雨漏りが発生します。排水口のお掃除をお忘れなく!
排水口のつまり以外にも、防水層が経年劣化により機能を失い、雨漏りすることも多いです。
防水塗装の耐用年数は外壁や屋根よりも短いので、覚えておくといいですね。
窓周り
雨が降るとサッシ廻りがビショビショ。結露がひどくて、壁にもシミができている。もしかしてそれは雨漏りかもしれません。
窓の設置工事の方法は壁に穴をあけて、枠をはめ込み、防水の為、シーリング打ちを行います。シーリングは経年劣化で弾力性が無くなり、固くなり、細くなってしまいます。すると隙間ができ雨が入ってきます。つまり窓からの雨漏りです。
窓廻りだけがビショビショで済んでいればいいですが、構造によっては、窓周りから壁を伝う雨漏りとなる場合があります。
結露にしてはビショビショだな?と感じたら、窓のまわりのシーリングを確認してください。
壁内の雨漏りは原因箇所から離れた場所に雨染みを作ります。そのため、原因究明に時間がかかる場合があります。しかし、赤外線サーモグラフィを使うと、雨水が流れ湿った部分は温度が低くなる為、雨漏りの原因箇所が発見できる可能性があります。
なんでこんなところに、水の染みがあるんだろう?と思ったら赤外線サーモグラフィを使った調査が出来る会社に依頼するのがいいでしょう。
外壁からの雨漏り 修理方法
雨漏りが起きた!そんなとき、どうやって修理をしますか?雨漏りの修理方法、応急処置の方法を知っていますか?雨漏りは突然やってきます。順番としてはまず、応急処置をして、リフォーム会社へ依頼するのがベストです。しかし、修理方法を知らなければ、リフォーム会社が提案した修繕の内容が正しい工事か判断できません。そこで、修理方法と応急処置の方法をご説明します。
壁の修理(モルタル外壁)
ヒビが原因の場合
- 塗装の防水機能の低下
- 地震など外部からの衝撃
- 経年劣化による躯体のゆがみ
等が考えられます。雨漏りが発生しているという事は、下地の防水シートが被害を受けている為、交換が必要です。
修理工事として選べるのはサイディングの上張り工事か外壁を施工しなおす工事のどちらかです。
外壁の張替え・やり直し工事の場合、モルタル外壁をはがし、防水シートの交換工事を行い、モルタルやサイディングを施工をします。
ヒビが起きた原因と、既存外壁の強度によって、上張り工事か、やり直し工事か、外壁の補強工事が必要なのか?等の工事の選択をします。
工事期間が長くなる事、工事代金が高額になりがちなので、上張りをお勧めすることが多いです。
壁の修理(サイディング)
サイディングの壁の場合、張替えか上張り工事になります。
張替えは既存のサイディングをはがし、防水シートから張替えます。
上張りは、既存のサイディングの上に防水シートを施工し、サイディング材を施工します。工事後は防水性が上がるだけでなく、断熱性能も上がります。
窓・ベランダの修理
開口部や外壁と設置している部分からも、防水機能が落ちると雨漏りが発生します。
- 窓 窓枠のシーリング材を打ち換えます。
- ベランダ 防水工事。ヒビなどがある場合事前に補修工事を施します。
治っても目立つ!雨漏りの跡
雨漏りを止める事ができても、雨染みが出来た天井や壁は見た目が悪くとても気になります。
壁の状況にもよりますが、水を含んだせいで天井や壁の下地の木がカビ生えている場合もあり健康によくありません。
そのため、雨漏りが止まったら、内装工事をしてキレイな状態に戻すことをお勧めします。
しかし、雨漏りと一緒に内装工事はおススメしません。
壁内を伝う雨漏りの場合、壁内が水分を含んでいるます。壁内の水分は、雨漏りが止まれば床下や壁から徐々に抜けていき、乾燥していきます。雨漏りが止まって、壁内の水分が乾燥するまでは内装工事は控えた方が仕上がりがキレイになります。
まとめ
この記事を読んで雨漏りのイメージは変わりましたか?
雨漏りは、壁を伝って家中に広がります。湿気の多い水まわり以外の場所で水染みがあった場合は雨漏りを疑っても良いかもしれませんね。
その際は、原因を追究する為、キチンとした資格があり、家の事を総合的に判断できる会社に依頼をするのをお勧めします。