桝とはなんですか?
- 公開日:2021年5月21日
- 最終更新日:2023年4月25日
桝とは
排水管は直線の塩ビ管ですが、家と公共桝までが排水管一本でつながる家はありません。
トイレ・洗面所・キッチン・浴室等の排水管とつなげたり、宅内に段差があったりと、家によって配管経路が変わります。
直線の塩ビ管を曲げたり、つなげたりする為に桝を使います。
桝は排水の配管経路が曲がる場所、他の配管と合流する場所、配管の深さを調整する場所に設置する必要があります。
水の流れを変化させる場所は汚物が詰まりやすいので、点検やメンテナンスを行い易くする、保全の為にも必要です。
勿論、直線の配管でも長い距離がある場合は桝を設置する必要があります。
桝の種類
桝には汚水を流すための汚水桝と雨水を一時的に溜める雨水枡の2種類があります。それぞれ機能が違う桝がありますのでご説明します。
汚水桝
汚水桝(インバート加工)
汚れが溜まりやすい(キッチン・お風呂・手洗い・外水道など)箇所に設置します。
キッチンやお風呂から排水と一緒に流れてくるゴミなどの固形物やトイレの汚物が沈殿しやすい設計で、スムーズに排水できるよう底には排水管と同じ形の溝が設けられています。
小口径桝 曲がり
配管経路上で屈曲する箇所に設置します。急角度で曲げると汚物が詰まりやすいので、屈曲させる角度も決まっています。45度、90度で屈曲させます。
小口径桝 合流
配管経路上で管と管が合流する箇所に設置します。
小口径桝 ドロップ桝
配管する際に管と管の深さに差がある箇所にドロップ桝を使って深さ調整し、管同士を接続する為に使用します。
例えば、公共汚水桝手前の桝にドロップ桝を使用する場合が多いです。理由は、建物から2%勾配で浅く配管を掘り進めると公共汚水桝との深さに差が出てしまいます。公共汚水桝の方が深く設置されている為です。その際に使用するのが、段差調整が可能なドロップ桝になるわけです。
小口径桝 トラップ桝
排水管から上がってくる臭気を防いだり、害虫を家の中に侵入させないという役割があります。
また、油や排水と一緒に流れてくるゴミなどの固形物を桝内に留めて排水管の詰まりを防止します。
掃除口
狭小の場所などで、φ150(内径15cm)の桝が設置できない時に設置する点検やメンテナンス用のものです。配管工事完了後でも地上から詰まりが解消できるように配管経路上に設けます。
雨水桝
溜桝
雨水を集水する桝です。雨樋の下や配管の合流箇所に設置していきます。雨水と一緒に流れてくる砂・泥・小さなゴミなどをこの桝で留めて、水だけが配管を流れていくという仕組みになっています。
浸透桝
雨水桝の1種ですが、桝の底部に穴が開いていて、水を溜めずに地中に浸み込む(浸透)ようにする桝です。雨水は地中に戻すのが基本の考えです。大雨や一時的な豪雨で河川が氾濫する事があります。雨水全てを排水し、河川に放流すると氾濫の危険があるので、地中に浸透させ、浸透しきれなかった雨水のみを排水する仕組みです。